synchronizedの排他関係について気になったので整理しました。
staticメソッドのsynchronized
Classオブジェクトのロックを取得します。
class HogeClass {
synchronized static public void hogeMethod() {
// 処理
}
}
上記は以下のsynchronizedブロックと同様になります。
static public void hogeMethod() {
synchronized(Class.forName("HogeClass")) {
// 処理
}
}
以下のようなsynchronizedがついてるメソッドとついていないメソッドが混在するクラスの場合。
class HogeClass {
synchronized static public void methodA() {
// 処理
}
synchronized static public void methodB() {
// 処理
}
static public void methodC() {
// 処理
}
}
methodA自身、methodB自身、methodAとmethodBは互いに排他的に実行されますが、
methodAとmethodC、methodBとmethodCは排他的に実行されません。
staticなのでJVM上で排他制御されます。
インスタンスメソッドのsynchronized
インスタンスオブジェクトのロックを取得します。
synchronized public void hogeMethod() {
// 処理
}
上記は以下のsynchronizedブロックと同様になります。
public void hogeMethod() {
synchronized(this) {
// 処理
}
}
以下のようなsynchronizedがついてるメソッドとついていないメソッドが
混在する場合はどうなるでしょう。
class HogeClass {
synchronized public void methodA() {
// 処理
}
synchronized public void methodB() {
// 処理
}
public void methodC() {
// 処理
}
}
methodA自身、methodB自身、methodAとmethodBは同じインスタンス内で互いに排他的に実行されますが、
methodAとmethodC、methodBとmethodCは排他的に実行されません。
この排他関係はstaticの場合と同様ですが、インスタンスメソッドなので
いちインスタンスに対してで排他制御されますね。
また、synchronizedメソッド内からsynchronizedメソッドを呼び出すことは可能です。
オブジェクトのロックを取得しているので当然ですね。
(もちろんstaticの場合も同様)
class HogeClass {
synchronized public void methodA() {
methodB();
}
synchronized public void methodB() {
// 処理
}
}
あまりないとは思いますが、JVM上でスレッド間をまたいでインスタンスメソッドの
排他制御を行いたい場合は、以下のような方法があります。
class HogeClass {
private static Object lock = new Object();
public void methodA() {
synchronized (lock) {
// 処理
}
}
public void methodB() {
synchronized (lock) {
// 処理
}
}
}
排他制御は、相互作用を理解して誤動作やデッドロック等が起きないように
必要最低限に限定して使用するのがよいですね。